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3次元計測出来形管理システム
360 度、どんな角度からでも座標取得が可能な単点計測技術、遂に完成しました。
簡単な原理に基づく革新的な演算機能を搭載した本システムが、建設現場の計測作業に革命をもたらします。
技術名称︓3次元計測出来形管理システム
開発企業︓計測ネットサービス株式会社、株式会社安部日鋼工業
特 許:特開2025-4681(計測ネットサービス(株))
システムの概要
本システムは、トータルステーションと視準用ターゲットを用いて行う単点計測技術の一つです。
一般的な計測方法とは異なり、プリズムを取り付けたピンポールを鉛直に設置する必要がなく、360度プリズムを取り付けたピンポールの先端を計測箇所に接地させた状態で揺れ動かすことによって、ピンポール先端の座標が取得できる仕組みです。
動画-1 本システムによる計測作業
この技術の開発により、従来の技術では計測できなかったような壁面や天井などでも、簡単に座標取得できるようになりました。

図-1本システムによる計測作業イメージ
本システムには、“ピンポールに取り付けたプリズムの位置はピンポールの先端を中心とする球体の表面にある”とする原理に基づいた演算機能が組み込まれています。
揺れ動かすプリズムの座標を自動追尾型トータルステーションで連続的に計測し、取得した複数のプリズムの座標からピンポール先端の座標を算出します。

図-2 本システムの計測手順
上記の機能に加えて、本システムには、様々な場面で単独での計測作業を可能にするための機能を実装しています。
表-1 本システムの機能一覧

架空の角点の座標を算出する4点計測機能
3次元計測技術全般の課題として、実際に「点」が存在しない場所の座標取得は難しいといった点が挙げられます。
本技術を用いれば、そのような「点」が存在しない場所についても、簡単に座標取得することができます。

写真-1 従来の方法による計測作業(橋梁床版下のサークルハンチ)
本システムには、面取りやR加工が施された箇所の「架空の角点」の座標を取得する機能があります。
下図のように、計4点の座標を計測し、計測した1点目と2点目を通る直線と3点目と4点目を通る直線が交わる点、もしくは最も接近する箇所を結ぶ線分の中点の座標を交点座標とみなし、これを「架空の角点」の座標として算出します。

図-3 4点計測機能による架空の角点の座標取得
任意のExcel帳票を自由に選択
本システムには、専用の帳票フォーマットはあえて用意していません。
多くの企業で汎用的に使用されているMicrosoft Excelで作成された帳票と連携させる機能を搭載しています。
計測結果がExcel帳票に自動で入力されるため、事務所に戻ってからの入力作業を省くことができます。
このほか、別途通信機器を用意して、インターネット経由で計測値を送信して遠隔臨場のような形で管理することもできます。

写真ー2 本システムによる計測作業
事例紹介
・国土交通省 近畿地方整備局 滋賀国道事務所
小松拡幅北小松高架橋(P22-A2)PC上部工事
(本取組みにつきましては、プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム 第34回 福井 2025にて、工事報告を予定しています。)
本件に関する問い合わせ先
(1)株式会社安部日鋼工業
技術工務本部技術開発部 (担当)小田部
058-271-3391(代表) t.kotabe@abe-nikko.co.jp
(2)計測ネットサービス株式会社
ソリューション統括事業部 首都圏ソリューショングループ
03-6807-6466 (担当)藤野